日田祇園用語辞典

 ★ 祇園用語辞典 ★

見送り..祇園山鉾の後ろの飾り幕で,猩々緋(しょうじょうひ..猩猩という
          中国の伝説上の人間に似た動物の血をとって染めたとされる黒みを
          帯びた鮮やかな深紅色の毛織物(広辞苑))というラシャ地に金糸を
          コヨリのようによったもので刺繍されている。

引き手..綱引き,ハッピ,ハチマキ姿なら誰でも参加できる。

山鉾押さえ..カジ取り,棒鼻の長年の経験者から,ウチワ(またはチョウチン)
              で指揮を取る指合。

棒鼻..山笠一番の花形で山鉾の両わきの大きなカジ棒を持ち,方向転換等で活躍
        する。

一番棒..左右一人づつ,後ろ向きで歩く,常にパイパイを見て間隔を取る。

二番棒..左右一人づつ,山鉾押さえのウチワを見て一番,二番に知らせる。

三番棒..左右一人づつ,三経験者か,背の低い人。

綱元..指揮者の山鉾押さえと,棒鼻の間に位置し,棒鼻と山鉾押さえの合図を
        見て,綱さばきをする。

台上り..取締又は押さえの一人が棒鼻の根元にのってブレーキを持ち事故防止
          につとめ,指揮をとる。

後押し..一般に若い者がなる。

トモ綱(ヒカエ綱)..棒鼻に合わせて押しの指揮通り,一番後ろの綱を引いて
           回転させ,又,後押しの指揮をする.ベテランの役。

パイパイ..竹を細く割って,胡粉を白く塗ったもの.祇園終了後は,引き手や,
      寄進者に配られ厄除けの印として神棚等に祭られる。

山(山鉾,山笠)..山は移動神座で御輿と同様であるが,現在では余興の様にも
         考えられる.山は,山と,木と,人形が三大要素であり,種類
         として,人形山,鳥居山,岩組山,幡山,筑山,神饌山があり、
         呼称も,山,山車(だし),山鉾,山笠、ダンギリ,屋台等と
         呼ばれている。

祇園囃子..構成:笛7人位(3人以上),三絃1人か2人,太鼓1人(大小二個
         を一人でたたく。

日田祇園囃子..日田の祇園囃子は,京都のコンチキチンの系統ではなく,俗曲や,
        端唄を合わせて創作したもので,創始者は,徳川末期の頃の
        小山徳太郎(慶応二年)と言われている。

祭神..祇園社の祭神はスサノオのミコト他二柱で,スサノオに疫病退治
    (大蛇退治)の伝説があり,その本地たるインドの牛頭天王は怨念の鬼神
     とされている点から,夏期の悪疫流行期に行われる。

    注:大蛇つまりやまたのオロチは川の,洪水,氾濫を示唆するものである,
      と言う説もある,とするなら梅雨の時期つまり初夏から,夏場の洪水を
      天の怨念と考え,これを鎮める役割を意味するのかも知れない。