1643m
 宮崎県北方町
 祝子川の丸田橋から湧塚を見上げる
大崩山は宮崎県の東北、祖母傾国定公園に含まれる。山容は自然林におおわれ、変
化豊かな大小の岩峰が随所にそそり立ち、永い歴史の中で造形された深い渓谷、花崗
岩からなる岩石と清流、豊富な植物に加えカモシカの棲息地としても知られる。
足下のまだ暗い早朝の内に、祝子川上流の大崩山荘登山口から登る。祝子川の滝の
音を聞きながら、25分で無人の大崩山荘に着く。山荘から祝子川渓谷沿いに進むと、
小さな広場に道標がある。真っ直ぐ進めば三里河原のコースへ行くが、ここから左へ
折れて湧塚コースへ進む。直ぐに祝子川渓谷へ降りて、川に架かる丸田橋を渡る。
丸田橋から遙か先の頭上に湧塚が否応なく見える。写真がそれだ。ここでカメラのキャ
ップを川に落としてしまった。
 下湧塚の岩の上
祝子川を渡って再び自然林に入ると、ブナ、モミ、ツガ、カエデ、イヌ
シデ、カヤ、ヒメシャラなど樹林と大小の渓谷、その中に白い花崗岩
の配置は、素晴らしい造形をし瞳木する。
写真は下湧塚の大きな岩の上。前も後ろも足がすくむほどの渓谷が
あり、何処を見ても吸い込まれる程の絶景だ。
 湧塚を更に登る
ザイルを伝って湧塚を更に登る。安全に登れるように、アルミのハシ
ゴを備えているところもある。右の谷間は小積谷で、下山はこの対
岸の小積ダキを通る。
 中湧塚を望む
下湧塚から見上げると、中湧塚の岩がそびえる。何処を見ても庭園
のように見事な眺めだ。中湧塚も登りたいが、迂回すると時間がか
かり、山頂に着くのが遅くなる。惜しみながら脇を通り過ぎて、更に
奥の山頂を目指す。
 大崩山頂石塚
湧塚から2mを越すスズタケの中を通り、およそ1時間で大崩山石
塚に着く。山頂まではおよそ5分だが、高低差は差ほど感じない。
山頂には小石が散在し、狭小なうえ展望は期待できなかったので、
写真だけ撮ってそのまま石塚へ引き返し、ここの大きな岩の上で
昼食にした。写真はその石塚で、心地よい風が吹き、後方には祖
母傾山群が一望できた。
下の写真は、下りのコースである小積ダキ手前のテラスから、パノ
ラマで撮った湧塚の写真だ。
テラスより
 湧塚を望む
 下小積ダキのコース
下りのこのコースには沢山のアルミハシゴが設置
してある。写真は下小積ダキに設置しているワイ
ヤーロープで、これだけが命綱なのだ。落ちたら
しばらく引っかかる樹木はない。転落注意の指定
箇所のひとつだった。向こう側の岩は1391mの
小積ダキの岩肌だ。
早朝5時半に登山口を出発し、下山したのは夕方
の5時半であった。途中カモシカを目前で見た。
大崩山は男性的な粗々しい山でもあった。
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