1756m
 大分県緒方町
 尾平からの吊り橋コース
祖母山にはいくつものコースが有るが、緒方町の原尻の滝から入り
込む尾平の登山コースは最もハードだと言われる。このコースにも
二通り有り、宮原コースと黒金尾根コースだ。
尾平を出発して、まもなく奥岳渓谷に架かる吊り橋が現れる。この吊
り橋を渡るコースが黒金尾根コースで、橋の下を通り過ぎるコースが
宮原コースだ。吊り橋の手前に標高600mの表示があり、山頂まで
の標高差は1150m以上だと分かる。ここから山頂まで濃密な自然
林の中を歩くことになる。
 案内が親切な宮原
しばらく杉林を登ると、モミ、ブナ、ヒメシャラ、などの巨木が立ち並ぶ
斜面に変わる。祖母山コースの道標は親切で、標高を示す真新しい
表示はおよそ100mおきに立っている。
急斜面を登りきると、標高1402mの小さな広場、宮原の尾根に立
つ。尾平から約3キロの地点で、右が障子岩へのコース。左が山頂
へのコースで、尾根伝いにおよそ2キロのコースだ。
 屏風岩から傾山を望む
宮原から尾根伝いに馬の背を進むと、視界の開けた屏風岩に出る。
前方に祖母山頂がみえ、左の渓谷の上に傾山が仰げる。ここまで
の行程で一番の絶景だ。
この日は大分県の防災ヘリが頻繁に飛んでいた。訓練だろう。
 9合目小屋で
9合目小屋は、文字通り9合目に位置し、そこから祖母山の山頂は
目前だ。ここで小休止したら、一気に山頂への斜面に取り付く。
およそ20分程度で山頂に到達する。
 祖母山の山頂
一等三角点と健男霜凝日子社の石祠が並ぶ祖母山頂からは、傾
山までの縦走路の名峰はじめ、阿蘇山や九重山群などの雄大な
景色が展開する。
この日の山頂には数組のグループが来ていたが、高知、東京、北
海道、神戸からと広範囲で、翌日は傾山へ、久住へと言うグループ
もいた。九州内は私達だけであった。
 足がすくむ天狗岩
山頂から黒金山尾根コースへ下るには、登りと逆方向へと下る。
ロープにつかまって急な岩場を下ると、まもなく東に顎がしゃくれた
ような天狗岩がそそり立って見える。岩の手前から左右の谷間を見
るだけでも目がまいそうな場所だ。鼻の先端まではロープがあるの
で、ロープに命を託し、慎重に先端に立つ。
写真を撮ったら、転落しない内に、山頂の南壁と天狗岩の間を天狗
の岩屋へと下る。周囲にスズタケが目立つ斜面を下ると、次第にカ
エデ、ブナ、モミ、トガなどの大樹にまじってアセビ、ツクシシャクナ
ゲ、アケボノツツジが増えてくる。
奥岳渓谷の沢に着いたら、標識に注意したい。テープなどの印が
川岸の両方にあるので、迷ってしまいそうだ。
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