日田地方縄文時代の遺跡と遺物

**日田地方縄文時代の遺跡と遺物 ** 

** 縄文遺跡

* 川下遺跡(かわしも)...日田市街地より6km三隈川下流.盆地の南側, 標高405mの高井岳より続く山地と堂尾川が三隈川に合流する地点.遺物は後期磨消 縄文土器都これに共伴する土器郡である.口縁部にW字状の貼り付け凸帯を施し脚台を 持つ壷形土器の一群は特徴がある.磨消縄文は鐘ケ崎土器(福岡県),北久根山式土器 (熊本県)を標式とする形式に属すると考えられる.

* 長者原遺跡(ちょうじゃばる)..盆地の西南約4km三隈川を北東に見おろす 沖積台地にある.数基の古文の残がいがあり,又,箱式石棺や,土壙墓等多数が発掘 されている.縄文早期の山形押型文.楕円押型文土器,後期に属する磨消縄文土器, 鐘ケ崎土器.小池原(大分).帯状磨消の西平式土器(熊本).北久根山式土器に属 する土器が採集されている.

* 銭花遺跡(ぜにばな...盆地の南側の山地帯,串川川が三隈川と合流する2Km 程上流地点)口縁部に貝殻圧痕と頚部から胴部にかけて貝殻条痕を施す前期に属する 土器片が採集されている.この遺跡は西に原の沖積台地に続いている.

* 松野原遺跡(まつのばる)..三隈川支流の有田川から分岐した求来里川で二手に 分かれ松野原の丘陵を囲んでいる.遺跡はこの台地の一端に位置している.遺物は縄文 後期の三万田式土器(熊本),晩期の黒色研磨土器.

* 大部遺跡(おおべ)...玖珠川と大山川の合流点,大山川に面した丘陵地に位置 する.この付近は五馬口(いつまぐち)と称し,女子畑(おなごはた)の台地から 奥五馬(天瀬町)の草原へ続く.遺物は縄文後期末葉の研磨土器,後領式土器(熊本 )が採集されている.

* 隈山遺跡(くまやま)...川下遺跡に近く,堂尾川が三隈川と合流する1km 程上流の沖積地にあり,土偶の腹部破片と縄文後期末葉の後領式土器が採集されている .土偶は縄文早期前半頃から製作され,早期.前期の土偶は形も表現も単純な物が多い .前期から中期になるにつれて立体的へ,後期から後期後半晩期になるにつれて, 象徴的な形体へと変化している.

* 穴原遺跡(あなばる)...盆地の西部眼下に三隈川を見おろす西山に連なる 台地.後ろは荻尾(はぎお)遺跡に続く.ここからは縄文早期の山形押型文や石鏃 (せきぞく)が出土している.

参考文献:「日田市史」日田市編集,発行H2,12,11

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