土  坑

3。土坑

§1号土坑(第28図)

調査区の北側に位置し、約120x50pの不整形の土坑である。深さは最大で約30
pを測る。底面は東側に緩やかに傾斜している。出土遺物の中で図化できるものは
1点である。他には土師器片および黒曜石片が出土している。

§1号土坑出土遺物(第32図)

脚付甕の底部である。色調は淡褐色を呈し、胎土は角閃石、茶色粒を含む。底部内側
に指押圧痕が残っている。

§2号土坑(第29図)

調査区中央・号住居跡の東側に位置している方形土坑である・規模は約190px
125p・深さは最大で20pを測る。出土遺物なし。

§3号土坑(第30図)

調査区中央9号住居跡の北側に位置している長方形土坑である。規模は約170p
x70p、深さは最大で20pを測る。

§3号土坑出土遺物(第33図)

土師器の甕底部である。色調は淡赤褐色で、胎土は角閃石、白色砂粒、赤色粒を合む。
遺存高3。0pを測る。

§4号土坑(第31図)

調査区南側の緩斜面に位置している。規模は直径約140pの円形土坑で、深さは最大
で40pを測る。坑内には、多量の礫とともに鉄製品が出土している。鉄製品は細かく
砕げており、図化できないが鉄製釜と思われる。年代は近世以降に属するものと思わ
れる。

§5号土坑(第34図)

調査区東側、谷に面した場所に位置している。検出時は、天井部が崩落し黒色土が
半ドーナツ状に埋まっていた状況をみることができた。平面ブランは馬蹄形で東側に
入口部を設けている。規模は奥行2.8m、最大幅2.3mを測る。入口部より主室
へは階段状に構築されており、中段の位置に炭化材(約25pおよび約50pの2点)
が検出された。また、主室の奥側に近い位置に床面より20pの盛土(褐色砂質土)
をし、そのうえに南北に長く自然礫を用いた部分が確認された。何らかの施設を想定
できるが、調査中に理解することはできなかった。


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