2。発掘調査の経過

2。発掘調査の経過

発掘調査は平成9年9月1日より開始した。調査の開始にあたっては、調査区が小谷
を隔てて南北にわかれることから、便宜状北区と南区に分けることにした。

機械による表土剥ぎ作業は試掘調査の結果により遺構の確認されている北区から行って
いった。

北区では、調査区東部を中心に柱穴群が集中して検出され、南部に行くにつれて希薄
となっていった。

その間には縄文時代の埋甕も出土し、その時期の遺構の広がりも考えられるため、
埋甕の出土した位置よりすぐ西側にトレンチ(Aトレンチ)を設定し、土層の確認作業
を行った。(第6図)

その結果、水田面の最下層とみられる層(5層)以下では地形に沿って下がる自然堆積
面となり(6〜9層)、埋土の状況から6層以下では遺構の存在する可能性は少なく、
遺構が存在するとすれば、4・5層を取り除いた面であると判断し、この面のみの調査
を行うことにした。

表土剥ぎ作業は北区を9月6日に終了し、引き続き南区の調査に移っていった。

南区では、試掘調査で調査対象区域内に遺構が確認されなかったことから、再度トレン
チによる遺構の確認作業を行うことにした。(第4図黒塗り部分)その結果、近世の
水田層は確認されたもののそれ以前の遺構は検出されなかったことから、この区域に
ついては土層図を作成するに止め、発掘調査は行わなかった。

発掘調査は遺構の掘り下げ作業を表土剥ぎ作業と併行して行い、9月12日には別府
大学の飯沼賢治氏に現地指導を頂き、同月17日に遺跡全体の空中写真撮影を実施し、
9月20日をもって器材を撤収し調査を終了した。

整理作業は平成9年12月9日から平成10年1月30日まで行った。

なお、森ノ元遺跡の発掘調査面積は2,591u、所在地は大字東有田字打上り
3157番地ほかである。

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