V 遺跡の内容 縄文時代の遺構と遺物

V 遺跡の内容

1。縄文時代の遺構と遺物

埋甕(第8・9図)

南と北にまとまる建物群の間で検出された。水田基盤により上面はすでに削平を受けて
おり、検出時に円形の土器の横断面形が確認された。

内部に人骨あるいは遺物の存在が想定されることから、掘り下げ作業は慎重に行って
いったが、中からは何も検出されなかった。

また土器の底部は穴があき、埋める以前に穿孔を行っていたようである。

その後掘り方を確認するため、土器のひび割れたところから半裁してみた結果、ほぼ
土器の形に掘り込み、甕の底部より一段深く掘り下げられていることが確認された。

残存の掘り方の径約36cm、深さ約27cm埋甕の埋置角度約85゜を測る。

土器は残存長24.6cm、底径7.4cm、最大径28.2cmを測る深鉢である。
形態は底部から斜め方向に立ち上がり、最大径を測る肩部より内湾して口縁部に向
かって伸びる。

肩部よりやや上に一条の沈線が入る。底部は穿孔のため、はっきりしないが、やや
レンズ底の形態を呈していると推測される。

調整は、内外面とも剥離がひどく、不明である。胎土は角閃石、長石石英を含む。

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