土坑

5号土坑(第30図)

検出面のプランは隅丸長方形で主軸を南北に向ける。長軸約1.35m、短軸約
0.74m、深さ約1.04mを測る。底面は皿状となっており、中央付近が最も低く
なり、側面はほぽ垂直に立ち上がる。底面は長軸約1.22m、短軸約0.70mを
測る。主軸線上には杭状痕跡が2つ並んで存在する。杭状痕跡の深さは20pを測る。

6号土坑(第30図)

検出面のプランは歪な不定形であるが、検出面より約20cm程度下からは隅丸長方形
の掘り方にかわる。主軸は東西方向に向ける。検出面の長軸約0.95m、短軸
約O.65m、深さ約0.85mを測り、掘り方の確認できる位置では、長軸約
0.92m、短軸約0.57mを測る。底面はやや皿状となっており、中央付近が
最も低くなる。側面はほぽ垂直に立ち上がる。底面は長軸約0.80m、短軸約
0.40mを測る。中央には楕円形の大きな杭状痕跡が1つ存在する。杭状痕跡の深さ
は27pを測る。

7号土坑(第31図)

構造物のため、遺構の北半分は調査できなかった。検出した状況から楕円形のプランを
呈すると推測される。主軸は南北方向にとり、検出面の短軸約0.64m、深さ約
0.69mを測る。遺構の南側は崩落のためできたと見られる段が存在する。底面は
中央付近が最も低くなる皿状を呈すると考えられる。側面はほば垂直に立ち上がる。
底面の短軸約0.50mを測る。底面には杭状痕跡は確認されなかった。

8号土坑(第31図)

検出面のプランは隅丸長方形で主軸を南北に向ける。長軸約1.02m、短軸約
0.50mを測る。底面は中央部が高く、主軸北側側面付近は柱穴状に深くなり、また
南側もゆるやかに深くなっている。側面の立ち上がりはほぽ垂直でしっかりしている。

9号土坑(第31図)

検出面プランは歪な不定形で、主軸を東西に向ける。長軸約2.15m、短軸
約1.01mを測る。底面には大きな土坑がさらに2つあり、とくに東側の土坑は、
深く掘り方もしっかりしているので、落穴状の土坑がこれに切られた可能性もある。
東側の土坑のプランは楕円形で長軸約0.99m、短軸約0.66m、深さ約0.78
mを測る。底面は西に向かってやや下っている。また西側の士坑は底面からの深さ約
15pと浅く、プランも不定形である。この北側には柱穴状痕跡が1つ存在している。

10号土坑(第31図)

遺構は東側調査区外へ続く。検出した状況から楕円形のプランを呈すると推測される。
主軸は東西方向にとり、検出面の長軸約1.50m、短軸約0.60mを測る。
底面の中央南側には浅い柱穴状痕跡が1つ存在する。底面はそこに向かって下って
いる。また、北側側面の一部は段を有している。

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