**日田の文化財,遺跡シリーズNO.33 **
*「木造釈迦三尊像ほか」:北友田一丁目 岳林寺蔵
:昭和55年2月13日 市有形文化財指定
*「木造釈迦三尊像 付 釈迦如来像奉篭物」
中尊釈迦如来,脇侍文珠.普賢両菩薩.桧材寄木造り,玉眼,漆箔彩色である.
古記録には康永2年(1343),大仏師法印幸與,子息備前坊幸意によって造られたと
する.幸與は運慶五代の孫と称する康誉のことと思われる.法量は
釈迦如来像 高97.5CM 最大幅84.2CM
文殊菩薩像 高59CM 獅子高105.2CM
普賢菩薩像 高59.4CM 象高82.5CM
いずれも堂々とした体躯の像である.光背.台座などは後補で,嘉吉3年(1443)と
明和9年(1772)の修理銘がある.
釈迦如来像胎内奉篭の経巻等4巻のうち2巻が開巻されているが,その1巻は崇品という
人物の書状を使用して印仏を印行し,裏に版本円覚経が刷られている
.
他の1巻は印仏のみである.また小紙片の結縁交名札があり,「康永2年卯月」と墨書き
され,三尊像の造立時期を証するものである.
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*「絹本着色明極楚俊像」:軸装 81,3CM X 45.6CM
開山明極禅師の上半身を描いた頂相で,前出の木像を写したものである.
彫像に比べると風貌が温厚であるが,宗元風と和様を折衷した描法の故か
.
室町時代の作.
*「紙本墨書明極楚俊墨蹟」:軸装 28.1CM X 60.2CM
明極禅師の書.右から左へ「没交渉」と雄渾な筆跡で大書されている.左隅に「明極」
の印がある.
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*「岳林寺文書」
岳林寺には由緒を示す文書が多く所蔵されているが,主なものは寛文の再興以後のもの
である.
後醍醐天皇綸旨,大友義秀.義統書状,足利尊氏下文などは写しで保存されている.
本紙で最古のものは慶長4年(1599)の毛利友重(高政)寄進状,以下寛文の再興訴
訟関係文書,貞享2年(1685)徳川綱吉をはじめ代々将軍朱印状,天保7年(183
6)仁孝天皇綸旨などがある.
また寛文訴訟の際のものと思われる淡彩の古絵図には,廃絶した堂宇の跡なども描かれ
,寺域の広大さ,往時の岳林寺の隆昌のさまが偲ばれる.
以上,昭和55年2月13日 市有形文化財指定.
このほか岳林寺には,応仁2年(1468)銘の木像16羅漢像,絹本釈迦16羅漢図
,伝明極禅師法衣,金輪寺茶入れ,慶長17年(1612)宝篋印塔(ほうきょういんと
う),代官揖斐十太夫(いびじゅうだゆう)墓など,数多くの仏像仏画,書画,境内の石
塔,石碑が所蔵されていて,日田における一大偉観を呈している.
なお境内の樹林は,市街地に接する場所としては自然林としてのまとまりを残しており,
イチイガシを主体とした古代日田盆地の常緑広葉樹の姿をしのばせる.
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