福岡県太宰府市 祭 うそ替え 1月

94/03/11 13:10:02 HITA     福岡県太宰府市 祭 うそ替え 1月

うそ替え(福岡県太宰府市、1月)

〔案内文〕        正月7日の夜、太宰府天満宮の楼門前の広庭に注連縄をはりめぐ
らした斎場を作り、その中で参詣の老若男女が「替えましょう、替えましょう」と呼
び合いながら、手にした“木ウソ”を取り替えていく。中に神職が一人紛れており、
その神職がもつ特別の印がある木ウソに当ると、幸運が授かるといわれ、また神前で
純金のウソと交換してくれる。

この神事は、昨年一年間についたすべての嘘を、天神さんの誠心と替えようという
ものである。うそ(嘘)をまこと(真実・誠実)に替え、年の始めに、昨年の凶をう
そ(消除)にして、今年の吉(開運)に替える意であるといわれている。うそ替え神
事の後に、その時手にした“木ウソ”を自宅の神棚に上げて、一年間の幸福を祈るの
も、この信仰によるものである。

うそ替えがいつ始まったか定かではないが、天保4年(1833年)の『百人一首
一夕話』に、万治年間(1658年ごろ)に行われていたとと記録が載っている。ま
た、天保11年(1840年)の『三養雑記』の中には、「毎年正月5日の夜、酉の
刻ごろより鷽替の神事あり−中略−近ごろ文政2年、大坂の天満天神にて、宰府にな
らひて、この神事をはじめて執行せしとき、大坂にてはやり唄に「こころづくしの神
さんが、うそとまことに替えさんす、ほんにうそかへ、おゝうれし」という小歌をう
たひしに、ことの外もてはやせしよしきけり、さて江戸にても、その次の年(文政3
年)より、本庄亀井戸天満宮にても、毎年正月25日に鷽替あり」と記されている。

うそ替え神事は、その後に行われる「鬼すべ」神事と同じように、除災・招福を祈
る初春の神事といえようか。

〔一口メモ〕      ウソは「鷽」という字を書き、鷽の冠の下に鳥を書き、天神様の
使い鳥といわれ、太宰府天満宮に本殿創建時には、これを助けたと伝えられる。スズ
メよりひとまわり大きく、その鳴声が「フィフィ」と笛を吹くように聞えることから
、口笛の古語に因んで、名付けられたそうである

〔期間〕        1月7日
〔見所の日時〕  1月7日午後7時〜
〔場所〕        太宰府天満宮楼門前
〔交通〕        西鉄太宰府駅下車、徒歩5分
〔文化的価値〕  太宰府天満宮に古くから伝わる神事である
〔観客動員数〕  約2千人
〔問い合せ先〕  太宰府天満宮  (電話  092―922―8225)

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