掛け軸 梅図 五岳 1

往事回頭淡夢同 過來世路幾窮通  愁三千丈髪如雪 人七十齢心似童 天地自然消殺気 柳梅容易又春風  老餘至楽一杯酒 酔在兒孫團坐中 過ぎ去ったことを回顧すれば 淡い夢のようにはかない。 世の中の道を歩き来て幾度も 窮し切り抜けてきたことであった。 この旅路の苦労に長い髪の毛は 白く変わり悲しんでいるものの、 七十歳に達した心は童子そのものである。 今や天地、大自然には殺気がなくなり、 柳や梅にはたやすく春が廻り来て また暖かい春風を受けている。 老後の再考の楽しみは、一杯の酒を 飲んで酔い、子や孫達に囲まれることである。 訳は五岳上人詩集より