掛け軸 梅図 五岳 4

談兵同趙括 獻作異王通  爬痒多靴外 窺斑或管中 浮雲横大野 淡日度寒空  我感向誰語 梅花照小攏  兵を論ずれば趙括の用に抽象論を説き、 献上した政策は極端で王通の中道策とは異なる。 痒い所を掻くのに靴の外から掻くようなことが多く、 空を窺い見るのに管を通してみるような 見解の狭い意見ばかりである。 浮き雲が大原野の上を覆い、淡い火が寒空を 渡るような効果のない方策でなく、浮雲を 払拭し明るい太陽が空を渡るような時局解決策が 望まれる今日、わが感懐を誰に向かって述べようか。 梅花は人間社会に関係なく、こともなげに連子窓に 明るく映じている。 訳は五岳上人詩集より