掛け軸 書 平野五岳 8

閑居 宿雨寒難睡 空林月色多 一声残菊落 古井忽生波 前日から降り続いた雨の夜は 寒くなって眠り難い、ふと見ると、 人けのない林には月光が溢れる程さしている。 かすかな音がしたがそれは一輪の残菊が古い井戸に 落ちた 中を覗いてみるとたちまち波紋が生じ 月の明かりに照らされていた。 訳は五岳上人詩集より