掛け軸 書 平野五岳 14

京寓雑吟 紅塵欲染白雲情 累月淹留在帝京 空使松風吹万壑 青山少我読書声 繁華な京の街の紅いほこりに空の白雲までも 染まろうとする有様である。 その帝京に滞在して幾月も過ごした。 虚しく松風が多くの谷間を吹き抜けるように 空騒ぎばかりで修行の実りは少なく、 わが愛する青山にも自分の読書の声はあまり 聞かれない今日である。 訳は五岳上人詩集より