チーズはどこへ消えた?
チーズはどこへ消えた?を読みました。
ちょっと話題になってる本です。アメリカでは2年連続で、ベストセラーだとか・・・・
短い本だからすぐに読めてしまいます。
出てくるのはチーズ(これは人生で追い求めるもので仕事やお金、愛、自由などを象徴)
迷路(これは会社であったり地域社会であったりチーズを探し回る場所を象徴)
それから、ねずみスニッフとスカリー(頭脳のない単純な行動だけど優れた本能がある)
と小人のヘムとホー(頭脳は優れているが・・・・・・)。
これだけです。迷路の中を、2匹と2人がチーズを捜し求めて走り回ります。
そしてある日、ついに多量のチーズを見つけます。
2匹と2人はチーズを楽しみ幸せに暮らしていたのですが・・・。
苦労の末に見つけたそのチーズは、ある日突然なくなってしまうのです。
そのあと、小人とネズミたちは「この一大事」にどう対処しその結果どうなったのか
と言う物語です。

自分自身の危機管理って言うことですよね。
ネズミたちは、毎日チーズに注意を払っていて少しずつチーズが減って、味も変わって
きているのに気づいていたから、突然なくなっても次のチーズを探しにまた走り出します
(突然の状況の変化には、単純な考え方のほうが強いってことなのかなー)。

しかし、小人たちはその状況をなかなか受け入れられずに右往左往します。
状況を分析しようとしたり、ほかの誰かのせいにしたり(きっと私もこうするでしょう)。

その後、小人たちは新しいチーズを求めて迷路に出て行こうとするホーと
探し回るよりも、チーズが戻ってくることを期待して動けないヘムに分かれます。
ホーは「古いチーズに早く見切りをつけたほうが、それだけ早く新しいチーズが見つかる」
「チーズがないままでいるより、迷路に出たほうが安全だ」と考えます。

本の中に出てくる小人たちはバブルで浮かれ、いまや思いもよらない不況、政治不信で
悩んでいる日本人みたいだなんて(最初は人事みたいに)思って読んでいました。
変化を認めないヘムのように身動き取れないでいる日本!
変化に向かって進まなければ新しいチーズも手に入らないのになんてね。

でもそうしているうち、自分自身はどうなんだろうって思って読んでいました。
私が捜し求めているチーズって何かなーって・・・
専業主婦の私にとって、地位や名誉なんてもんじゃないし、あっ、そうだ!
「私の場合、家族や健康だな」って妙に納得してしまいました。
そして、チーズを手にしヘムやホーのようにいつまでも安泰だって
思ってる自分に気づきました。

手に入れたチーズがなくなるなんて事、考えてもいないしなー
どんな状況になっても私は安全(ほとんど根拠はないのです)と
ノー天気にタカをくくっている自分に気がついたのです。
国内外で起こってるいろんな災害や事故、事件はまるでドラマか小説かのような
感じで、こんな事が私の身の回りで起こるはずがないなんて・・・・

そして、突然何かが起き、手の中からチーズがなくなってしまったら
さて、私はどう行動するのかしら・・そう思っていました。
私としては、勇気をもって迷路に出て行く「ホー」でありたいと思っていますが・・
きっと、ヘムのようにうじうじと古いチーズに未練を残して留まったままでしょう。
古くて食べられなくなってしまったり、なくなってしまったり、切羽詰らないと
何とかなるだろうとか、もうちょっと待ってみようとか思うでしょうねーー
チーズはなくなるってこと、新しいチーズは探さないといけないっていうこと。
これって、解ってるようで解ってないんだよね。

ホーが自分が学んだこととして壁に次の事を書き付けます。
「変化は起きる」
「変化は予期せよ」
「変化は探知せよ」
「変化にすばやく対応せよ」
「変わろう」
「変化を楽しもう」
「進んですばやく変わり再びそれを楽しもう」
このことは私も心に刻んでおきましょう。
そしてじっくり私のチーズを観察しておきましょう。
いつか起こるかも知れない急激な変化に備えてね!

ホーは迷路の中で、新しいチーズを見つけます。
そして、まだ迷路に踏み出せないでいるヘムに向かってメモを書き残していきます。
「チーズと一緒に前進し、それを楽しもう」と。
デモねーー私にとって、新しいチーズって何なんだろう・・・まだ解らないでいます。

この本のあとがきに「わかりきったことなのに、普段は気にしないでいる
『大事なこと』に改めて気づかせてはくれるのは確かである」
とありますが、本当にそうです。

バターはどこへ消えた
「チーズはどこに消えた?」のパロディ本
「バターはどこに消えた?」って言う本が話題になってるの
をご存知ですか?
あらすじはそっくりなんだけど、結末が違うのです
ねずみの代わりが狐(狡猾で行動力がある)
ヘムとポー(小人)の代わりが猫
バターが無くなり探し回るまでは一緒。
デモね、バターは見つからずに、迷路に出て行った猫は
戻ってくるのです。
そうしたら留まった方の猫は人の飼い猫になって
丸まる太って幸せに暮らしてましたという内容。

現状を変えない、しかも、飼い猫になるほうが
幸せになれるというところがいかにも日本的でしょう。

メルマガに寄せられたコメント
2001/03/24 13:19:44 かなん さん 世代が近い方だからでしょうか(想像ですが)、共感できることが多いです。次も楽しみにしています