混乱

皆さん、告白します。
実は今月私は50歳の大台に乗るのです。
それなのにメルマガタイトルが「40代・・・」じゃあおかしいでしょうって、
友達から指摘されますが・・・
ここはそのまま行こうと思ってます(悪しからず、心は変わりませんから)。

私の生きてきた50年、それなりにいろいろあったんですが、残りの人生悔いが残らない
ように生きていこうと決めたんです。
それで、まず念願だった海外旅行を思い立ったんです。
行き先は「カナダ」娘も一緒に連れて行くことにしました。

今までのご褒美として、自分へのバースデイプレゼントです。
3月のカナダは、まだまだ冬。九州育ちの私にとっては雪だって面白そー!
そう思いました。
だけど、実際のカナダの冬は(厳冬期はもっと寒いんでしょうが)道路は凍って
つるつる、最高気温がプラスになるかならないかぐらい。
日本を出る頃は福岡で桜の開花宣言がありましたから、もう震え上がってしまいました。
だけど、ヤッパリ広大な国、雪のなかをまっすぐに伸びた道、ヨーロッパ風のきれいな
建築物などすばらしい見所いっぱい!
モントリオール、ケベックシティ、ローレンシャン、トロント、ナイアガラフォールetc
カナダの東部を観光してきました。
ほぼ、一週間家事から開放され、毎日の献立も考えない、誰からも小言を言われない、
気楽でゆったりした時間をすごしてきました。
でも私のバカンスはあっという間に終わり、夢を見てるような気分でいる私を待って
いたのは、とんでもない事だったんです。

成田に無事帰国し、とりあえず帰国第一報を家に入れました。
「あー、おかあさん!たか君がね、たか君がね」電話口に出た娘は泣いてます。
「いったいどうしたの?何があったの?」私はもーパニック、息子の身に最悪の事が
起きたんだと思ってしまいました。
娘を落ち着かせて話を聞くと、千葉県内の大学に行ってる息子が突然倒れて
救急車で病院に運ばれたというのです。
どうも脳溢血らしい、主人は病院へ向かったから私にもそこへ行くようにって!

いっぺんにカナダの思い出が冷めてしまった感じでした。
とにかく、行かなきゃと持ち物を全部宅配で自宅に送り、病院へ電話して
成田から最短でいける方法を伺いました。

成田から東京そして安房鴨川へ。そのころから冷たい雨が降っていました。
病院へついたのは夜の9時過ぎ。
主人はすでに到着していて、息子に付き添っていました。
息子の大きな体には点滴や心肺のモニターのセンサーがつけられていて
痛ましくて見てられませんでした。意識はしっかりしていて
息子は私の顔を見ると、「お母さん、カナダ面白かった?」って聞くのです。
それだけで、モー涙が出て止まらなくなりました。

私が到着したってことで主治医から説明がありました。
病名は脳梗塞、命にかかわるような事は無いが
左半身の麻痺が残るかもしれないって言う事と
治療は手術をしないで若いしリハビリで機能回復を図って行くと言う説明を受けました。

息子は小学生のころから剣道がだいすきで、大学も勉強は嫌いだけど
剣道がしたいというので選んだ体育系の大学です。
体が動かなくなったんじゃ、剣道もできないし大学も行く意味なくなるなー
なんて私は思っていました。

病室へ帰ると息子は心配そうに「どういってた?」と聞きます。
リハビリすれば大丈夫、良くなる。だけどもしかしたら、今まで見たいに
剣道できないかもしれない、そういいました。
息子は、「そうなれば大学は辞める」って言いました。
でも、本心でないのはすぐにわかりました。

息子はそばを通りかかった看護婦さんを捕まえて、「自分は剣道がしたいんだけど、
何とか治してください、お願いします」
そう頼んでいるのです。

息子は、剣道を始める前はいじめられっこでした。
強い友達の言う事に逆らえない、うじうじした弱虫でした。

私はそのイメージがあるんで、親に甘えて「お母さん看護婦さんに頼んで欲しい」とか
「お医者さんにこういって欲しい」とか言う子だと思ってました。
だから、自分の口で一生懸命頼んでいる姿を見てこの子も大人になったなーと感激してし
まいました。

翌日、一旦家に戻って出直すと言う事で帰ってきました。

今回のメルマガはカナダの思い出をいっぱい書こうと思ってましたが
その気になれません。
息子が回復して、心が軽くなったら書くつもりにしています。
この2週間は私にとって人生の10大ニュースがいっぺんに二つも起きてしまった
感じです。
デモね、中国の言葉に「塞翁が馬」ってありますが、災い転じて福と為す、
息子もこの病気をきっかけに自分の体の事
大事にするようになるかもしれないし、少し緩みかけた家族の絆を結びなおすのにも
良い事かもしれないなー、そう思っています。

ありがとう
このメールマガジンを発行して、すぐ私は息子の看病に出かけました。
出かけている間に、息子にお見舞いのメールやら私への励ましのメールやら
たくさん頂きました。
本当にありがとうございました、おかげさまでもうすっかり元気です。
心配していた麻痺もほとんど目立ちません!
ナイアガラの滝