個人主義

近頃は個人主義というか利己主義というか自分さえよけりゃいいという人が
増えて来てねー」なんてことよく聞きます。
特に、おばさん(私もおばさんなんだけどーー)達の会話にしばしば登場します。
批難の先は、地域の行事に非協力的な新参者の隣人だったり
みんな同意したのに(たとえば、何かの確認署名)一人だけ「しません」
と反対した(私に言わせりゃ勇気ある)人だったりです。

おばさん達は自分たち(多勢)に迎合しない人たちを
十把一絡げに「利己主義」だ「個人主義」だと非難しています。
私はそれを聞いていて毎度、「エーーッ!」なんですが、うまい反論も出来ずに
なんだか自己嫌悪になってしまいます。

都会と違って田舎では共同体、みんな助け合って暮らしていかなきゃいけません。
だから、一人はみんな(共同体)のためにみたいなところがあります。
(皆は一人のためにっていう事はまれです。)
同じ価値観を強要され、迎合しないでいると仲間はずれにされたり陰口言われたり・・・・
いや応無しにみんなと同じに、足並みそろえて、・・・そんな感じです。
そのことが、田舎社会の秩序を保ちばらばらにならない役目とある種の犯罪抑制力に
なっていると思えるのですが・・・

ところが、最近は田んぼを埋め立て宅地が出来、新しい住人が住みはじめ、
閉鎖的だった地域に新しい風が吹き込み始めました。
今まで暗黙の了解で守られてきた慣習や苦役を「嫌だ」と平気で言える人が増えてきました。
その結果が、先に出てきたおばさんたちの会話となるのです。

個人主義はヨーロッパにその起源が求められ
神の前で個人は自由、平等であると言う考え方なのだそうです。
私は、個人主義というのは個々の個性をお互いに尊重することなのだと思っています。
おばさんたちが言うような「迎合しない」人の事を指す言葉かなー?

敗戦までは、個人より、家、社会、国が大事だった日本には
まだまだ個性を尊重すると言う考え方は根付いてないのかもしれません。
個人の自由という名のもとに皆が皆かってな事をいい、かってな事をして、
無秩序でバラバラ、しかし、流行と言う事でみんなが一斉に同じ格好をする・・

結局、個性がないというか、個性(自分の考え)を大事にしてないんですよねー
無責任な個人の自由を声高に叫ぶ割りには、個性の研鑚はやってないのです。
自由の裏にはしっかりと自己責任を肝に銘じなければいけないのに・・

ところで昨今の、学校でのいじめの背景には皆と同じでないということが
原因としてあるんだと言う話を聞いたことがあります。

私の娘が新1年生(10年程前)の時の事です。
(今は変わっているかもしれませんが・・・・)
新入生説明会というのに行くと、学校で使う道具類を一揃い買わないといけません。
体操服や、算数の教材そこまではなんとなくわかるのですが、鉛筆からノートまで!

「なぜですか?」と訊ねると、先生は「皆と違ったものをもってるといじめられるから」
と言うのです。
これって、おかしいですよね・・・。
それぞれの家で心をこめて準備してあげたほうが子供にとっても
嬉しく誇らしいもののはずです。
もし、違ったものをもってる事で仲間はずれにされそうになったら、
そのときこそ
違ったものをもっている⇒一人一人違う個性なんだ⇒みんな違って
みんなすばらしいんだ、
そういう風に教えてあげるチャンスですよねー

デモねー私は娘がいじめの対象になったら大変だと思って
その時は学校の言いなりになっていました、今となっては遅いけどねー

こういう風に、みんな一緒が一番と言う没個性で教育され
先生にとって、いうことを聞く(操作しやすい)子がいい個であって
いう事を聞かない(操作しにくい)子がいけない個となっていく・・・・です。
受験をうまくクリアーするというただ一つの価値観を押し付けられて
目立たぬように、でしゃばらぬように、長いもんにはまかれて・・・なんて
これが子供達の処世術だとしたら可哀相な話ですよね!

一人一人が違って、それぞれにすばらしい、
かけがえのないただ一つの個性であるはずのあなたも、そうして私も!
そういう風に認識し合える社会になればすみやすくなるだろうなーって
思います。

メールマガジンに寄せられたコメント
ご記入日時 ペンネーム ご感想
2001/08/23 23:58:00 marie143 さん よかったですよ!
2001/08/24 07:39:17 チューリップ さん 同マイペースの私は何でも誰かと一緒なんて考えられない。それでいいのではないですか?うちの子どももそう育ってきていますが、やっぱり仲間外れにされないかという心配はあります。