戦うアフガンの女性

TVが毎日アメリカのテロ関係のニュースを流し、今では子どもさえもタリバンだの
ビルラディンだのと口にするほどになっています。
最近は、タリバン政権下の悲惨な首都カブールの荒れ果てた町と疲れきった人々の様子、
パキスタンへ逃げ出してる人々の様子がうつしだされています。

タリバンによるイスラム原理主義というかあらゆる娯楽を禁止し自由や人権を無視した政策
それから、誘拐、略奪、簡易処刑、レイプ等、非人道的な行為も同時に伝わってきました。
また、報復攻撃近しとする報道も目立つようになりました。
コメンテイターと称する出演者達はテロリストへ対する報復で、結局悲惨な目に会うのは
弱いい立場の子どもと女性なんですよねーと同情論です。
しかし・・・・私はタリバンを倒せ(悲惨なアフガニスタンを救うためにも)と、
アメリカの軍事行為に対しては肯定的に思っていました。
流血もやむなしかと・・・
特に、タリバン政権下での、女性への人権無視にはすっごく腹が立ってました。
子どもを産む道具としてしか(または男のための快楽の対象)見てない!
女性が働く事、学ぶ事、それどころか自由に外出さえ出来ないのだそうです。

そんな状況下、投獄、下手をすると暗殺されるかもしれない恐怖と戦いながら、
イスラム原理主義タリバンに対する抗議活動や、難民キャンプで、移動診療所、
病院の運営、識字教育、子どもの学校、虐げられている情報を世界に発信する
活動をしている
RAWA(the Revolutionary Association of the Women of Afghanista)
という人権団体があることを知りました。

彼女らの活動に感激した私はさっそく調べてみる事にしました。
http://watan-jp.hoops.ne.jp/
RAWAの活動を知ってくるにつれ、23年間も戦争状態になっている
アフガニスタンの事も少し、解るようになって来ました。

アフガニスタンはモザイク国家と言われるように多民族国家で、同じイスラム教でも
宗派が違い、話す言語も違う部族の集まりなのだそうです。
それぞれの部族は、もともと仲がよいとは言えなかったみたいです。
しかし、ソ連侵攻の時にはこれらの部族が一致団結してイスラム戦線(北部同盟)として
戦い(このときは冷戦時代で「対ソ連」という事でアメリカなどの西側諸国が武器、
資金援助をし)勝利してアフガニスタンからソ連軍を撤退させました。

でもその後、部族間で政権争いが起き、隣国は少しでも自国に近い政権にするために
各部族に武器や資金援助で応援したから、内戦状態が続きました、
(つまり、隣国の代理戦争です)。
この混乱の中、ゲリラのリーダーは自分が支配している地域ではやりたい放題のことをし
気にいらぬものに対しては簡易処刑、それからレイプ、放火や金品をとったりという
荒廃した国になっていったのです。

それらの混乱を正し、真のイスラム教による政治社会を作ろうと蜂起したのがタリバンで
それを支えたのがパキスタン(後ろ盾はアメリカ)だったそうです。
正義の味方に思えたタリバンは当初は人民の支持もえて、勢力を伸ばし
ほぼ全土に及びました。

しかし、今そのタリバンが国連の自制要求にも応じず、市民に対する誘拐、拷問、虐殺、
レイプなどを行っているのです。
今回、テロリストのビルラディンをかくまっているという事でアメリカは
タリバン制圧のために今度は、反タリバンの(北部同盟)に武器などの支援をしています。

アフガンの内戦はこれまでもこれからも(多民族国家という事から周辺諸国の政治的な
利益も絡んで武器、資金の援助を受けながら)続いていくのでしょうか?

RAWAの人たちは、タリバンや原理主義者ジハディと
アフガニスタンの打ちひしがれた貧しい人々を一緒にしないで欲しいといっています。
(大多数のアフガニスタンの人はタリバンのやり方に反対なのです)
また、米国の攻撃がただ、アフガニスタンの人々を犠牲にするだけでテロの根絶とは
ならない第2、第3のオサマビンラディンが現れるだろうとも・・・・・

アメリカにはテロリスト達に武器などの供給を止めてくれと呼びかけています。
そして、日本の皆さんへと題して「多くの人が国を離れて難民として暮らしているから
もし日本に庇護を求めてきたら支援して欲しい」
「アフガニスタンで続いている人権に対する悲劇に終止符をうつことができるような
そして、アフガニスタンに本当の意味での平和がもどるように何らかの形での支援を
お願いしたい」といっています。

RAWAは元アフガニスタン国王で現在イタリアに亡命中であるザヒアー・シャー氏が
主唱する平和計画を、全面的に支援する、としています。
タリバン包囲網を着々と勧め、タリバン後の政権を考えているアメリカも元国王と
接触を持っているそうです。

私自身はタリバンを倒すためには報復はやむなしと言う考えでしたが、
いかなる場合も、武力による解決は次のテロを生むだろうし
ここは平和的に(流血を見ずに)解決する方法は無いものだろうか・・・
世界の英知で何とかならないのだろうか・・・そう考えるようになりました。
そして、日本は後方支援で自衛隊派遣という事になりそうですがそれよりも
アフガニスタンの国家再建のために働くべきではと思ってます。
アフガニスタンに早く平和が訪れますように、そう祈ってます。


メールマガジンに寄せられたコメント
ご記入日時 ペンネーム ご感想
2001/10/05 01:21:40 marie143 さん 今度のタリバンへの攻撃で、誰が一番得をするか考えてみ
てほしいと思います。