子育てと仕事

土曜日の午後です。ぼんやりとテレビを見てました。
番組は日テレの正月特番「はじめてのお使い」の再放送!

3歳〜4歳の子どもがお母さんに頼まれて、生まれて初めてお使いに行くのを
隠し撮りした番組なんですが・・・
こどもながらに、お母さんのために一人でお使いに行くんだという「気負い」と
「不安」と「お財布」とを背中いっぱいにしょって(途中いろんなアクシデント
に出会いながらも)けなげにがんばって行くんだよねーー

だから、めでたく任務を達成して帰ってきたときのときのあの誇らしげな顔!
「あのねー、○○でねーー」とかわいい初体験の報告を聞きながら
どのお母さんも感動で「よ、よ、よ」と泣いてしまうんです(私もだよー・・・)
赤ちゃんだとばかり思ってた我が子の小さな自立、この事は親としてはうれしい反面
なんだかさびしいものなんだけどね・・・
いいな、いいなー子どもってかわいいなー・・そう思っていつも見るんですよ。

デモねー、長女が小さいころ、私はいい母親ではありませんでした。
子どもができたのを機に仕事もやめ、育児に専念するはずだったんだけど・・・
一年を過ぎるころになると、同じ頃出産し、子どもを一緒に遊ばせていた
お友達が職場復帰し、私は一人取り残されたような気持ちになっていました。
同じアパートに住む人ともなんとなくなじめず私はいつも娘と2人ぼっちでした。

幸いな事に(?)娘にはお気に入りのケット(いわゆる安心毛布っていうやつです)
それさえあれば、触りながらおとなしく一人で親指をチュッチュッしているような
手のかからないっていうか・・そんな子どもでしたから・・・
私は本を読んだり縫い物したりと、今考えると子どもと一緒にいるのに、
心は別々だったようなーーそんな気がします。

若かったし、やりたいことはいっぱいで子どもとジーット過ごす時間が
なんだかもったいないような気がしていました。

そのうちに、1日のうち何時間でも良いから外に出て働きたいと
思うようになりました。
善は急げ、思い立ったが吉日とばかり、私は以前働いていた職場に無理を言って
雇ってもらうことにしたのです。
でも、まずやる事がありました、保育園を探し彼女を慣れさせる事です。

私は、娘にとって保育園に行くことは、親子2人っきりより社会性が芽生えて
いいのだと思ってたし、おむつが取れるとか一人で食事ができるとかそういう
自立訓練をしてくれるだろうなんて虫のいいことを考えていました。
(今考えると、なんと甘いんだろうと・・・・思いますが)

最初の日は一時間、次が二時間と・・・一週間かけて何とか保育園で
過ごせるようにして、(今考えると、娘は保育園ではお気に入りのケットを
なでながら指をしゃぶってさびしさをこらえてたんでしょう、)
私は職場復帰しました。

でも、娘は生活の激変のためか一週間もしないうちに熱を出してしまったのです。
熱のある子どもを保育園は預かってくれません、
だけど私は働き始めたばっかしです。
子どもが熱を出したから休ませてなんて言えませんでした。
八方塞り!仕方なく実家の母に迎えに来てもらい、熱が引くまで
実家に預ける事にしました。

でも、娘はなかなか熱が引かずに肺炎一歩手前までこじれてしまいました。
小さい体には相当な負担になってたんでしょうねー、
でもその時の私はこの危機さえ乗り越えればまたうまくいくと楽観してました。
本当に女性週刊誌風にいえば「馬鹿っ母」でした!

母からは電話で子どもを殺す気かと責められました。
そして即刻仕事なんぞやめるように言い渡されました。
うちの母にとっては子育てこそが女の仕事であり、私の仕事は遊びの範疇、
何を血迷ってるんだ!という感じでした。

万事休すです。
上司に「無理に入れていただいたのに申し訳ありません」とお詫びをしているうちに
悔しいのと情けなさけないのとで大泣きしてしまいました・・・
(まだまだ、甘いねーー!)

仕事を片づけ迎えに行くと、娘は実家で買ってもらった
ブランド物の服を着せられ、かわいくこぎれいになってました。
だけど、娘のあまりにも無感動でうつろな眼にドキッとしました。
そのとき初めて私のわがままに振り回され続けている娘に対してすまなかった
って思いました。
しばらくは娘を抱いたまま、なぜか泣けて泣けて・・・・

大きくなって感情的に娘とうまくいかない時期(単なる反抗期だったかも・・)
がありました。
私はあの時のあの目を思い出し、娘の記憶にはないかもしれないけど
うまくいかない原因はあのときの心の傷だなんて悩んだりしましたが・・・
幸いそれは杞憂だったような気がします・・・・

娘は最近、私にこういいます。
「お母さんも仕事つづけてたら良かったのに」って!
娘にとっては仕事をバリバリしている友達のお母さんが溌剌として
カッコよく見えるんだそうです!
「何言ってるの!」と私は取り合わない振りはしますが、本音はねーー
あの時娘が病気にならなかったらとか、
もう少し私をサポートしてくれるものがあったらなー、って思うんですよねーー

当時、仕事をあきらめた私に(前述の職場復帰していた)友達はこう言いました。
「子育てをする時間は自分の充電期間だと思えば良いじゃないの、
子育てが終わってからよ」って!
あれから20数年間、3人の子育てに専念(?)してきました。
そして今、まさに最後の子育てが終わろうとしています。
サーー、私はどうしようか?そう!これからが問題なんだと、
一人思っているんです・・・!