アンペイドワーク

前回のメルマガで私は子育てのために働くことを断念したと書きました。
その後は、専業主婦でがんばってきたんですが・・・
でも、どこかに割り切れないものは持っていました。
専業主婦って達成感のない仕事です、それをずーーっとしなきゃいけないのかー
って、自分の人生にくたびれていました。

出生率の将来推計が現在の1.61から1.39に下方修正されると言う
ニュースを見たとき、少子化の原因は女性の社会進出(つまり女性の自立)だと
私は思っていました。
だって、子育てしながら仕事なんて無理だーーそう考えていたからなんです。
だからね、昔みたいに専業主婦で女性を家庭に閉じ込めれば解決できる!
なんて「乱暴な、無責任な」考え方さえしていました。
自分の立場に対するいらいらと、社会進出している女性への妬みからかな・・
(情けないねーあ〜ぁ自己嫌悪!)

でも、少子化対策ってどういうことをしてるんだろうと調べていくうちに
武蔵さんのホームページにたどり着いたのです。

http://www.pat.hi-ho.ne.jp/musashi/ (少子化問題についてのひとりごと)

そして、私の今までのすっきりしない気持ちをまるで代弁するかのような箇所に
出会ったのです。
要するに、子育てを選択する代わりに私が捨てた
「働く女性、自立した女性」と言う立場、これに対する自分のいじいじとした未練や
自分に誇りをもてないと言う事の原因はこれだって思ったのです。

このH・Pの中に「アンペイドワークについて考えてみました」と言う項目が
あります。

*アンペイドワークとは、「無償労働」の事。お金は支払われていないけれども、
人々の生活の維持には不可欠の「地域活動」「PTA活動」「家庭内介護」「育児」
などの事です*

私は専業主婦、家族の雑用係です。つまり私の労働はここに分類されています。
そして、「どうも経済優先の日本においては、ないがしろにされているように
感じます。」とH・Pには記載されてます。
そうなんです!まさしくそのとおりなのです。

自分でも言うのもなんですが主婦って大変な仕事です。
家族のためにと言う事だけで年中無休で果てしなく続くのです。
おそらく、倒れるまで・・・
しかも専業主婦って、世間一般(時には家族にさえ)には仕事をしていないように
見られてしまいます。
以前、主婦と言う立場は家族の中では一段低いところにあると書いた事が
ありますが、
「働いてない(有償でない)から、えらくない」そういう感じなのです。

地域や学校の役員になると言う事もアンペイドワークですが、
この事に対しても、仕事を持つお母さんたちは一様に引き受けたがりません。
だから、自然に役員などの仕事は専業主婦に回ってくるのです。
あなたは暇でしょう!と言う事で。
だけど、専業主婦はそこでがんばるんです。
暇だからだろうって!とんでもない、
いくら小規模でもそこには自分を受け入れてくれる社会があるからなんですが・・・

ホームページにはこう綴られています。

世の中には、様々な関係が存在しますが、多くは何らかの権力を持つ者と、
持たない者との関係です。
(*我が家では、夫は私を食わせてやってると見てますし、
私は養ってもらってる、、かな?*)
そして、多くの場合、女性は「権力を持たない」(*稼がない*)存在として
位置付けられているのです。

ITの普及で、インターネットやチャット・メールが大流行となっています。
そこに、相手の顔はないものの、どちらかが一方的に気を使い、
どちらかが一方的にくつろぐ関係は存在しないのです。
(*だから主婦が、メールやチャットにはまるんだー・・・と思ったのですが、
短絡的すぎ?*)
女性は、人間本来の結びつきを目指しだしたのだと思います。
(*そうだ、そうだ!*)
権力が存在しない、疲れない関係を求める女性が少しずつ増えてきたのだと
感じます。

「女だろ!」「母親だろ!」その一言で済まそうとする世の中への批判が、
非婚という形に現れているのであれば、非婚の結果の少子化は容認すべきだと
考えます。(以上 H・Pより)

(**)の中は私が付け加えました。

武蔵さんは、女性の非婚が少子化の原因であるならば、家事、子育てと
「疲れる関係」でしかない結婚をためらう女性を認めるべきだと言ってるのです。

私もそう思います。
もし、うん十年前にこの事がわかっていたら、私は非婚を選択したかもしれない・・・なんて考えてます。

このアンペイドワークのことを考えてください。
好きでやってるんでしょう、なんていわれたくありません!
(これが本音なんだよねー)

そして最後に武蔵さんはこう締めくくります。

私たちが、本当に豊かさを実感できる社会というのは、有償労働のみならず、
むしろこのようなアンペイドワーク(多大な無償労働)が正当に評価され、
それらに従事している人/これから積極的に取り組もうとしている人達が、
胸を張って生きていける社会ではないでしょうか?
特に、子育てを行っている人は、もっともっと尊敬されるべきだと思いますし、
社会はそのサポートをすべきだと思います。単に経済的な支援だけではなく、
心の問題として・・・。

これなんだ、そう思いました。そうかー私の不満は正当なんだー(?)
そう思ってちょっぴりすっきりしました。


メルマガに寄せられたコメント

2002/02/08 09:18:42 marie143 さん 現在の「拝金主義」とも関係があるように思います。