卒業式

先週の土曜日に末娘の卒業式がありました。
出かける前、しつっこく娘から「泣くなよー」なんていわれちゃってね・・・
(親の面目まるでナシなんです)

だって、幼稚園、小学校、中学校と卒業式というといつも泣く私でしたから。
蛍の光の歌やさようなら・・なんていうのを聞いてるだけで
ぐっと胸に迫ってきてもうー涙がにじんでくるのです。
ふてぶてしい外観のおばさんが泣いてる図、なーんて!
ちっともかっこよくありませんしね・・・
で、泣かないためにと今回は卒業式の雰囲気にのめりこまないでいよう(?)
ほかの事でも考えていようなんて、不届きな予防策を練って行ったのです。
デモね・・娘の卒業式は時間がせくのかお決まりの退屈な来賓式辞や祝電披露、etc
なんていうを省略、すべてがあっという間に終わりました。
(ほんとはなんだか物足りないというかしらけた気持ちでしたが)
ひとまず泣かずにすんで良かったと胸をなでおろしていたのです・・・
ところが、卒業生退場の場面で
(もし泣かせるための企画だったとすればまんまとはまってしまったよー)
感謝を表すセレモニーがあったのです。
卒業生はクラスごとにまとまって立ち上がり職員席に向かって、大きな声で
「ありがとうございました」、「がんばります」などと声をそろえてお礼を。
それから、私たち保護者席のそばに来て自分の親に一輪のバラの花を手渡して
退場していったのです。もーーーっ!だめでした・・・
ありがとうございましたと言っている声を聞いてるだけで、
ぐっ!とこみ上げてしまい(おい、おい)子どもがそばに来るころにはハンカチで
目頭を押さえながら、泣いてない振りをするのに精一杯でした。
(でもね、これ内緒だけど娘も泣いてたのがわかったよ、だって鼻が真っ赤!)

その後、子どものクラスに分かれて最後のホームルームです。
担任の先生から一人ずつ卒業証書を頂き、子ども達それぞれが思い出や決意など
を発表!
ここまでは、笑いをとろうなんて思ってる子もいて何かほのぼの、
和気藹々と笑い声に包まれて過ぎていったのでしたが・・・
その後先生から、いつまでも胸を張って生きて行けというはなむけの話があり・・・
(ここに来るとチョッとカンベンしてよーー胸が痛くなるじゃないかーー)
締めくくりは、先生と一緒にSMAPの曲「オレンジ」を合唱・・・

・・・人波の中でいつか偶然に出会えることがあるのなら、
   その日まで さようなら  僕を今までささえ続けてくれた人、
   さよなら、今でもだれより大切だと思える人
   そして、何より2人がここでともにすごしたこの日々を
   隣にいてくれたことを   僕は忘れはしないだろう・・ 
   さようなら・・・きえないように・・ずーーっと・・・

先生も子どもたちも顔をくしゃくしゃにして涙をこらえて歌ってます。
びっくりしたのは日ごろへらへらしている(無感動そうな)男の子が泣いてるのだ!
私ら親も、もう胸いっぱい。せっかく泣くまいとこらえてたのに・・・・
歌が終わって解散となったのですが、子ども達は去りがたいのかいつまでも
わいわい写真を撮り合ってました。

人生長くやってれば卒業なんてひとつの通過点に過ぎないことはわかってるけど
高校の卒業って、人生で一番うれしい卒業だと思うのです
自立、一人暮らし・・・つまり、親の羽の下からの卒業だもんねー
子どもから大人へ、羽を広げて羽ばたき始める時期なんだもん!
だからこそ親としては感慨ひとしおなんだけど・・・

でもねー自分のことを思い出してみると高校卒業式の記憶って
あんまりないんだよねー
あのとき、私の担任もはなむけにキット良い(?)話をされたはずなのに
さっぱり覚えていませんし、それより何より、どんな卒業式だったかも・・・・
ほとんど、記憶もないのです。
それから始まったわたしの人生でいちばん開放され自由で楽しい凝縮した時のためか
卒業というその始まりとも言うべきセレモニーの事は吹っ飛んでるのです。

娘もキットそうだろうと思います。
これから始まる暮らしに期待と夢をいっぱい膨らませてるはず!

帰ってから娘と話しました。
娘よ。
お母さんの話を聞いておくれ!
人生で一番楽しく、そして希望に満ちた時期にきたね、人生の夏休みです。
どうぞ目いっぱい楽しんでね、
人生何度でもやり直しがきくって言うけど、若いときにしかできないこと、
今しかできないこと、そういうのがあるんだから・・・

若いうちって言うのを目いっぱい楽しんで、今しかできないことを
思い残しのないようにやってほしい。

本を読んだり、友達と話したりしていろんな人生、
いろんな生き方を探ってほしい、それが年取ってからの財産だよねー

若さや自由が永遠に続くような気がしてるでしょう、
前途に何の曇りもないでしょう
でもねー明日があるとか、いつか機会を見つけてなんていってると
お母さんみたいになるよ・・・・・・・・・・・・・・
結局何もできずに年取ってしまうよ。

お母さんはねーやりたい事いっぱいあったんだけど、
やるきっかけがつかめなくって
まぁ、そのうちにとか、またの機会にとか言って伸ばし伸ばしにしていたら
いつの間にかこの歳さー、
「いつか」、「いつか」とずーーっと思い続けているだけ。
でね、今子育てを卒業させてもらって、自分に言い聞かせ続けていた
「いつか」がやっときたんだけど・・・残された時間と体力とそれから余裕が
いつの間にか足りなくなり、責任と愚痴と世間の制約ばかりが増えてしまったよ。
お母さんはやりたかった事すべてをあきらめたわけじゃないんだけど、
今どうして良いかわからなくなってます。
人生の第2幕、今すぐには無理かもしれないけど、徐々にやりたいことを見つけて
生きて行きたいと思ってる・・・
あなたの卒業というこの節目を良いきっかけにしてお母さんもがんばるから、
娘よ、あなたも精一杯がんばって。
悔いが残らないようにね、がんばれ、がんばれ!

メルマガに寄せられたコメント

2002/03/09 23:44:28 marie143 さん 本を読むのは大変良いこと。今の世の中右も左もフィクションだらけなので、できればノンフィクションの本をお勧めします。