手塩にかけて作る
高菜漬け、ラッキョウ漬け、梅干し、ナスの芥子漬け、・・・
我が家の、手作り漬物たちです。
たくさん漬けますが、家族で食べるより、人にあげるほうが多いくらいです。

毎年、母が中心になって、材料の手配から、漬け込みまでやります。
私は、母の助手です。
内心、「あげるばっかなのに、なんでこんなに面倒なことしなくてはいけないの!」
とか、ぶつぶつ言いながら。
だから、3月下旬の高菜の時期から、梅の時期まで「アーアー」
とため息ばっかの季節でした。

でも、今年はちょっと違いました。
毎年お願いしている高菜が不作で手に入らなくなったのです。
母は、高齢になったことも理由にして、
「今年は、やめようか?」と気乗りしない様子。
やめるのは簡単、しかし、「高菜の油いためと冷奴」は夏の昼ご飯の定番、
それが食べられなくなるなんて寂しい限りです。

「いいよ、私が何とかするから!」なんと無謀にも私は、
自分から漬物作りを買って出たのです。


最初に、高菜の手配をすることになりました。
幸いなことに、知り合いの家から、りっぱな、やわらかそうな高菜をゲット。
自分が、主になってやろうと思ったら、体も動くものです。
今年は逆に母に手伝ってもらって、無事高菜漬け完了。

高菜に気をよくした私は、例年だったら母から言われないと気がつきもしなかった
ラッキョウも、やたらと目につきだします
ラッキョウの産地や形の良し悪しまで、お店の人に教えてもらい、
ラッキョウ漬けも大家になった気分。
土つきがいいというので、霧島産の小ぶりのやつを10キロ買って、
ふーふー皮むき大変でしたが
無事漬け込み完了。

今度は梅の時期です。
たまたま、知り合いからたくさん梅をもらい、半分梅干用に塩漬けし、
あとはカリカリ梅や味噌漬に。
塩漬けの梅は、なかなか梅酢があがらずやきもきし、
カビがでるんじゃないかと心配し・・・です。
だから紫蘇を入れ真っ赤に染まった時は、感動ものでした。
梅雨明け宣言と同時にざるに広げて土用干し。
干している間は、空ばかり気になって、
にわか雨に濡らしでもしたら大変だからです。

土用干しも終わり、今、私の手がけた漬物たちは桶や、かめの中で眠っています。
「手塩にかける」という言葉をこれほど実感できたのも漬物たちのおかげ。
いまや、漬物たちがいとおしくてたまらない。

ちょこっとづつ味見をしてみると、どれもなかなかの出来栄え。
あのひとにもこの人にも分けてあげたくって、ちょっと自慢したくってたまりません。
私の、鼻はいますこーし高くなっているはずです。





土用干しの梅干、「手塩にかける」って言う言葉
実感としてやっとわかったような気がします。