エンジョイ!老後
2001年,来年はとうとう大台に乗る年になってしまいました。
若いころ抱いていた50代のイメージといえば「おばあさん」ですが,
いざ自分のこととなるとぴんときません。

50歳になるという事に、恐怖にも似た心理的抵抗を感じています。
何か意味づけしないと、いけないような、 「なりたくない」って言うのが本音です。

ずーっと前に、ある雑誌でアメリカにある「老人の町」の記事を見たことがあります。
その時は、生き生き暮らす高齢者の姿を見て、幸せそう、あんな老後がいいなって
漠然と感じていました。

老後を自分のことと感じ始めたとき、真っ先に思い出したのがこの記事でした。
そして、遠い未来でなく、間近に迫ってきた私の老後を、漠然とではなく
考えておきたいって思い始めました。

早速インターネットで検索。
そして、やっぱりこんな夢のような老後もあるんだと確信したのです。

アメリカにある「老人の町」サンシティは
9つのゴルフコ−ス、4つのデザインの異なったリクレーションセンター、
図書館、美術館、全米最大の平屋劇場サンドーム(7169席)、
テニスコース、プール、コミュニティサービス棟などの
巨大なリクレーションゾーンの街で、そこに高齢者が住む住宅が集まっている、
っていう感じだそうです。
ボランティア組織が自然発生的に出来て、町の運営から、保安、奉仕活動など
「奉仕されるのではなく、奉仕しよう」というのがこの町の精神だそうです。

この町の住民なら誰でも参加できる多くの文化活動やスポーツクラブに入り、
友達を作り、生き生きと暮らしている、合言葉は、「エンジョイ、サンシティ」。

参考URL http://www.asahi-net.or.jp/~rx2t-fjmt/sun.html
     http://www.sendai-senior.org/tobu/suncity.html

これからの、少子高齢化社会、一人の子どもが4人の老親を介護するなんて時代が
きそうです。
子どもの世話にならずに、サンシティのような老人のパワーあふれる
「老人の町」で暮らしたい。
老後を過ごすという生き方ではなく、老後を積極的に楽しむという生き方を
したいっておもうのです。

老後の生き方を思う時、典型的に違っていた、2人の伯母さんのことを思います。

一人は母の姉、もう一人はその叔母がなくなったあと、後妻に来た叔母です。
母の姉は、典型的な日本女性というか、90歳近くまで生きた義母の介護をし、
子どもを育て、そして、義母が亡くなるとすぐ、自分もガンでなくなりました。
家の母親は、「やっとこれから楽ができるっていう時に死んでしまってかわいそうに」
と泣きました。
その叔母が亡くなってからすぐ後妻に来た人が、もう一人の叔母で、
まったく逆の人でした。
英語がペラペラで、洋風が好きで、遊びに行くと、町に連れてってくれ、
当時はめづらしかった、ホットサンドイッチなんか食べさせてくれました。
昭和45年ごろ、大阪万博があったころですの話ですよ、叔母さんは当時60代でした。
叔母さんは、私には進んだ女性、輝いた女性として映りました。

ある時叔母さんに、「おばさん、おじさんとどこで知り合ったの」って聞きました。
「ミラノで知り合ったの」という返事に私は「あー、そんな恋がしてみたい」
って憧れたものです。

叔母さんは、年に数回は海外旅行を楽しみ、いつもはつらつとしていました。
当時叔母さんぐらいの年代の人は、表に出ず家を守り、主人の世話をするのが当然と
思われていた時代です。
だから叔母さんは、従兄弟たちからは非難轟々でした。
仏様の世話もせずに、遊びまわって・・・。
  
でも私は好きで、叔母さんも私のことをかわいがってくれました。

いつか従姉妹が、家に来た時のことです。
叔母さんのことを母と話していました。
なんとなく聞いていると、叔母さんとおじさんは、死んだ叔母さんが生きてた時からの
付き合いらしく海外で不倫していたらしい、そんな話でした。

母と従姉妹で悪口を言い、それじゃあ、死んだおばさんが浮かばれないって
泣いていました。
そうか、叔母さんは一人で楽しんでるけど、影で泣いている人がいるんだって
気づきました。

でもね、私は死んだ叔母さんのような一生はごめんです。
あとで、どんなに同情されようと、死んでしまえば終わりじゃあないですか。
そうかといって、後妻に来た2番目の叔母のように自由に生きるのも、
周りを巻き込む勇気がいるしね・・・・
おばさんは自由に自分の好きに生きていて、世間をまったく気にしていなかった
ことだけは確かです。

私は、何かをやろうとする時、世間の目を気にし、自分がしたいことでなく、
世間がどう思うかで選択しているような気がします。
世間の目って、旧来の考え方や、一般常識の枠、窮屈に感じるときもありますが
そんな抑止力があるから、ある程度の平和が保たれているのかもしれません。

時代が進み、女の生き方も枠にはめられなくなって来ました。
でも、田舎ではまだまだ昔ながらの考え方、女の枠があります。
家を守り、子どもを育て、老いた親の面倒を見て・・・その繰り返しです。
でも少しずつ田舎も変わってきつつあります。
私たちこれから老いていく者が、生き生きと自立し楽しんで生きることが出来たら、
この枠を私たちが抜け出すことが出来たら、きっと、サンシティのような楽しい老後が
くるのではないでしょうか。

私は、どっちの叔母さんの生き方を取るかって聞かれたら
自由な、はつらつとした叔母さんのほうを選びます。
生きているうちに、やりたいことをやり、楽しく生きたいじゃあないですか。
良い奥さん、良い母親、良い嫁さんっていう枠にはめられて、好きなことも出来ない
ただジーッと、我慢する女はもうよそう。
エンジョイ、老後です。



今改めて思います

いま、改めてこういう老後が送れたらって思うのです。

メルマガに寄せられたコメントです。
2000/09/07 20:20:54 kayobe@msi.biglobe.ne.jp さん 今回のお話は、とても共感出来ました。