1791m
 大分県久住町
 中岳山頂から御池を望む(10月)
久住山や中岳への最短コースは、やはり牧ノ戸コースだ。
しかしやはり昔からのすがもり越えコースが楽しい。この日
は更に法華院温泉まで下り、そこから白口谷へ迂回して
東千里ガ浜へ登った。すがもり越えから法華院温泉までの
下りは、その大半が岩場のため、注意して下らなければな
らない。思うに任して下った私は、膝をやってしまった。
途中からびっこを引きながらの、とても辛い登山になってし
まった。
写真は中岳山頂からの展望。右は硫黄山の煙、手前が天
狗ガ城、左に星生山と、その手前の池が御池だ。

 12月の中岳登山
すがもり越えから北千里ガ浜に入ったこの日は、下界は台風並みの
強風が吹いた一日で、山は吹雪の悪天候だった。北千里ガ浜は久
住分かれ方向から吹き下ろす吹雪で、前進するのがやっとだった。
あられ混じりの雪に、サングラスでは目が開けられず、ゴーグルの方
が正解だった。ときおり視界が開けたときに周囲を見て、コースの間
違いを正ながら、強風の北千里ガ浜を縦断した。
写真は久住別れから空池方向への登山道だ。吹雪がやんだつかの
間にだけ、カメラを取り出してシャッターを押すことが出来た。
 一面氷に覆われた御池
空池の縁を過ぎると、満々と水をたたえる御池にたどり着
く。が、冬の御池は一面分厚い氷に覆われている。人が
上がってもビクともしない厚さだ。しかし注意しなければ、
氷が割れたら大変。この日は氷の表面を雪が滑っていた。
御池の右側を迂回して先へ急ぐ。
 7合目から冬の大船山を仰ぐ
御池を過ぎて中岳から天狗ガ城に連なる尾根に上がる。
ときおり吹雪の合間から中岳の山頂が確認できる。再び猛吹雪に
遭い、視界がほとんど無い。一面鉛色の吹雪の中を、頭の中の地
図に従って登った鞍部を右に折れる。山頂は目前のはずだ。足下
だけが見える吹雪の中で、なかなか山頂への登り口らしき岩場に
着かず、道に迷ったと感じた。とたんに不安になってくる。大きな岩
の風下に身をかがめて吹雪の収まるのを待つ。しかし待つのは永
く、一向に視界が開けない。コースを戻ることにした。ところが雪と
風で足跡が消え、動く内に完全にコースを見失った。コースを探し
ていると、岩を積み上げた小さな避難小屋が目に入った。中で吹
雪の収まるのを待ち、地図を広げた。尾根をひとつ間違えて逆方
向に折れていた。あとで視界が開けて見渡せば、直ぐ反対側に中
岳山頂は見えた。「こんなところで」と言う感じだが、これが冬山の
怖さなのだ。「こんなところ」で遭難する場合があるのだ。
 山頂ではつかの間の晴れ間が
中岳山頂に着いた時には、つかの間の太陽が覗いてくれ
た。風は相変わらず強く、デジカメが強風に吹き飛ばされ
ないように、石で固定して自動シャッターを切った。
直ぐに山頂を下り、先ほどの山小屋で昼飯を済ませる。
この時のアイゼンは4本づめだったため、急坂では用をな
さなく、よく月の大船山登山では6本づめのアイゼンに交
換した。又、吹雪の日のサングラスは用を満たさず、ゴー
グルが必須だったことは言うまでもない。
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